リレーコラム

2009.08.01

「飲みニケーション」についてどう考えますか?

不動産管理会社の日本綜合地所が、管理職に「部下手当」を支給することを決めたそうです。

その手当てを、いわゆる部下との「飲みニケーション」に充てて、会社のコミュニケーションに役立てて欲しい、という会社制度の一環のようです。

一昔前には当たり前だったこの「飲みニケーション」ですが、これを「業務」ととらえるか、「個人の付き合い」でとらえるかで大きく違ってくる問題ではないかと思っています。

飲みニケーションのメリットは、

①上司や会社の面々の本音が聞ける。
②会社の人間関係がわかる。
③上司の仕事以外のことが聞けて親近感がわく。
④自分の思いを伝えれる(かもしれない)
⑤仕事もやりやすくなる。

・・・などが考えられますが、一方でデメリットとして

①情報が漏れやすい
②あまり断ると付き合いが悪いと評価される
③聞きたくない愚痴を聞かされる
④参加者で輪ができてしまう
⑤下手すると仕事に支障がでる(かも)

・・・他にもありますが、これらのことが思いつきます。

この「飲みニケーション」には、ある程度のルール作りや、管理職の資質が大変重要ではないかと思います。

例えば、子供が生まれたばかりの男性部下に、飲みを強要せず、「早く帰って嫁さん手伝ってやれよ」って言える上司でしょうか?

・小さな子供がいる、介護が必要な親がいる、等家庭のことや趣味で何かやっていること等 個人のことを優先させる配慮を持つこと
・会社の情報や特定情報を、参加者に漏らさないこと(情報共有は平等に!)
・参加不参加で個人的評価や会社評価を決めないこと
・管理職が出すのはお金だけ。場所や時間等はなるべく部下の要望を聞き、セッティング等も任せる(管理職が仕切らない)

これらの最低のルールがないと、「この飲み会に参加しないと評価が下がる、情報がもらえなくなる」等、がんじがらめになり、この時間も「業務」になってしまうのです。

「24時間自分の時間の人」だけが評価が良くなったり、小さな子供がいる家庭に亀裂を生じさせてしまったりと悪い影響が見え隠れします。

私が部下なら、まずほとんど参加できません。
子供を誰かに預けて参加する、のは本当に大変ですから。
できればランチでやって欲しいですね!

この手当てを支給されることで、管理職がより良い「部下との接し方」を学んで欲しいと願うばかりです。。