リレーコラム

2011.02.23

リレーコラム vol.5 

理学療法士、というお仕事はご存知でしょうか?
私は、リハビリテーションにかかわる一専門職である「理学療法士」という仕事をしています。
理学療法士の資格を取得した頃は、養成校が30校足らずで供給が少なく、全国でも5,000名余りで女性は20%そこそこしかいませんでした。
平成に入り、リハビリテーションの重要性が謳われ、養成校の急増(2010年4月現在、249校)に伴い有資格者も60,000名を超え、今や平均年齢33歳、40歳以下の方が80%(その内、半数は女性)を超えるようになりました。

「ワーク・ライフ・バランス」という言葉との出会いは、(社)日本理学療法士協会で女性理学療法士へのアンケート調査の企画に関わらせていただいたときでした。

結婚、妊娠・出産等の女性特有のライフイベントが大きく就労に影響しているだろうとの予測の下に、アンケートを作成しました。しかしながら、女性理学療法士はそれらのライフイベントにかかわらず、就労を続けているという予測に反した結果でした。
ただ、それらのライフイベントにより自分の自由な時間は減少しているという意見や、逆にそれらによって心豊かになっているという意見もありました。
少ない時間の中での充実した家族との関わり等々、バランスの取れた時間の有効活用がなされ、上手に「ワーク・ライフ・バランス」を実行できている女性理学療法士が多いことに嬉しさを覚えました。

「ワーク・ライフ・バランス」は、女性だけのものではありません。
今後は、理学療法士全体が、社会全体が「ワーク・ライフ・バランス」を考えつつ、素敵な社会生活を過ごせるような世の中に進化していくことを望み、それに向けてまずは自分の職場から輪を広げていきたいと思っています。「ワーク」と「ライフ」、どちらも一生懸命が素敵だと思います。

最後に、今回、改めて「ワーク・ライフ・バランス」という言葉の意味を再考させていただくとともに、このような機会を与えていただきましたことを深謝いたします。

<筆者紹介>

vol-5
*谷口千明さん
理学療法士、3男子の母
(社)愛媛県理学療法士会 副会長
昨年11月1~2日開催の日本理学療法士協会全国学術研修大会in愛媛
(於:愛媛県県民文化会館)
レセプションにて:理事とご一緒に(左端が谷口さん)