リレーコラム

2011.09.10

リレーコラム vol.9

ワークライフバランスはただの言葉である

私は、現在愛媛県の事業である「えひめのイクメン魅力アップ推進事業」という
男性の育児(イクメン)・家事(カジメン)を推進する活動に関わっています。
そのなかで、「ワークライフバランス」とのつながりや重要性を実感すると同時に
痛切に感じていることがあります。それは、

「ワーク・ライフ・バランス」や「イクメン」とは
「ただの言葉」であり、それ以上それ以下でもない

確かに、「ワークライフバランス」や「イクメン」を推進することは、
少子化対策につながり、また大多数の個人や家庭、企業において、
様々なプラス効果をうみやすいことは間違いないと言えます。

ただ、同時に“一義的な価値観を生みやすい”という危険があるのではないでしょうか。

実際、「ワークライフバランス」や「イクメン」を推進する一個人、一企業に対して
「すばらしい」、「先進的だ」、「かっこいい」、「仕事もできる人だ」といった声を聞きますが

同時に、「ワークライフバランス」や「イクメン」を推進できない一個人、一企業に対しても
「なぜわからないのか」、「時代遅れだ」、「かっこ悪い」、「仕事もできない人では!?」など
相手を評価したり、非難してしまう、といった価値観や心理に、人は陥っている気がします。

しかしながら、個人や企業には様々な諸事情があり、それぞれにあった生き方、在り方があります。

あくまで「ワークライフバランス」や「イクメン」とは、自分自身や自社を見つめ直すための言葉であり、
これらの活動の本質は、子ども、夫婦、企業、社会の充実や関係の円滑化のために行っているのであって
他人や他社を評価非難までしてしまうと、結局バランスが崩れ、本末転倒になってしまうと考えます。

このあたりの“心のバランス”をとりながら、日々、個人や企業へと向き合い、
「ワークライフバランス」や「イクメン・カジメン」自体の良さを伝えていきたいと思っています。

*「ワークライフバランス」という言葉に抵抗を感じる方に・・・
東レ経営研究所の佐々木常夫さんは「ワークライフバランスではなく、ワークライフマネジメントだ」とおっしゃり、P&Gさんでは「ベターワーク、ベターライフ」と位置づけて企業で取り組んでいます。
主体性を感じる言葉として推進していければいいですね。
(ワーコラより補足)

vol-9

<筆者紹介>
*村上武嗣 さん


(社)愛媛県法人会連合会えひめのイクメン魅力アップ推進事業 所属

松山市在住 37歳、2兄弟のパパ

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