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2018.04.20

「愛媛で子育てをする男女のワークライフバランスに関する調査 」の調査結果をご報告します!

平成29年度 公益社団法人 えひめ女性財団より調査研究助成金を採択し、現在子育て期の女性が働くことに関して抱える課題を洗い出し、雇用する企業、子育てを含む生活の場である地域、働く(または働く意思を持つ)男女それぞれに何が必要か、今後への啓発や提言することを目的に行いました。

みなさまにご協力いただき、得られた調査結果の概要を以下のとおりご報告申し上げます。

 

◆同居または近居の家族・親族からうける影響について◆

同居または近居の日常的に行き来のある近親者(実父母・夫・義父母・きょうだいなど)の有無について尋ねたところ、76名の回答者のうち60名79%が「いる」と回答し、有職、無職にかかわらず、近親者と頻繁に行き来をしているという結果が得られた。また、回答者が、仕事の継続を考えるときに、実父母・夫・義父母・親以外の身内(きょうだい等)から影響を受けたと答えた人が、第一子出産前~現在、今後について51%~59%と時系列で増加しており、実際の出産、子育てと経験を重ねていくにつれ、経験者または先輩となる身内の考えに大きく影響を受けているといえる。しかし、祖父母世代はよき理解者である反面、時代の流れとともに変化した子育て家庭の現状に対する認識にズレが生じている。子育てや、子育て世代への偏見をなくし正しい現状理解や、祖父母の孫育てサポート支援が必要とされている。

 

◆仕事と育児についての考え方の変化について◆

仕事と育児についての考え方の変化について、結婚する前から第一子妊娠前まで、「仕事と子育てを両立したい」と考えていた回答者が59%、第一子出産後、約1年後に46%、第二子出産、約1年後には39%と大幅に減少している。一方結婚する前から第一子妊娠前まで「子育てに専念したい」と考えていた回答者は41%、第一子出産後、約1年後に54%となり、第二子出産、約1年後には61%と大幅に専念したい人の割合が増している。この結果により、結婚、妊娠前には仕事と子育てを両立するイメージを持っていた人が、第一子、第二子の出産・育児を経て働き続けることあきらめている傾向がうかがえる。仕事を継続している人の働く理由に、仕事のやりがいと経済的な必要性をあげており、働く働き続けられる理由に、夫、職場、近親者の理解や協力、保育所などの支援を受けて両立できると回答している。一方、子育てに専念したいを選択している人は、家族や職場の理解や協力、サポートがあったとしても、両立できる自信が持てなかったと選択する割合が多く、夫からも必要な理解や協力が得られないと回答する人が時系列で増えている。周囲のサポート以上にパートナーの理解や協力が重要と感じる人が多い様子がうかがえる。

女性の仕事の継続は育児休業からの復帰のタイミングに継続する・しないの分かれ目があり、そのタイミングに支援が必要である。またパートナーとなる男性が時間制限なく働く風土が残っており、そのしわ寄せで働くことへ踏み出せない女性がいることが分かった。出産前、出産後にライフデザインが変わっていく中で、先輩の声をもっと聴き、パートナーとの話し合いをあきらめずにもっとすることが大切である。

 

◆働き方の変化について◆

第一子出産後、約一年後の働き方で、無職の人の割合が、子ども1人の場合28%、子ども2人以上の場合(第一子出産後)68%、子ども2人以上の回答のうち、第二子出産後も無職の人が61%いる。この結果により、第一子出産後から働き方を変え、子どもの数が増えるごとに働くことが困難な傾向にあることがうかがえる。仕事を継続している人は、職場の同僚や先輩、上司に相談者がおり、継続しなかった人は、相談者がいない、もしくは相談できる雰囲気ではないと回答している。職場の風土や上司の意識が、女性の仕事の継続に影響を及ぼしていることがうかがえる。仕事と子育ての両立について相談できる人や場所を増やすことが働きやすい風土を作り、ひいては継続就業につながるといえる。

 

◆家事・育児の夫婦間の役割分担について◆

日常の家事や子育てを協力してくれる人について、「夫」と回答する人が42%と最も多い割合を占めた。夫婦間の家事・育児の分担の割合を尋ねたところ、家事、育児ともに8割以上の負担を妻がしているという回答が得られた。その理由に「専業主婦(無職)だから」「夫の帰宅時間が遅いから」「夫は家事が苦手だから」などが理由としてあげられた。このことより、性別役割分業意識が根強く残る家庭があることに加え、夫が長時間労働という背景が推測される。家事育児の分担について、不満や不安については、とても納得している~まあ納得していると回答した人が85%を占め、夫の働き方や考え方により役割分担にはおおむね納得、または納得せざるを得ない状況がうかがえる。多忙な夫に代わり祖父母が子どもを預かり、仕事の継続の手助けや専業の母親の気分転換に貢献していることもうかがわれた。夫と理解しあうためのコミュニケーションをあきらめないことや、相談先を増やすことも重要である。

 

報告書全文はこちらからご覧ください。

 

『企業』『地域』『働く人・働く意思を持つ人』へ向けたリーフレットを作成しました!

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