大変遅くなってしまいましたが、H26.7.5(土)に行われた公開講座のご報告です。
当日は参加者65名(学生38名・社会人27名)プラス関係者10名、にご参加を頂きました!
6割女性、4割男性 という割合でした☆
ありがとうございました。
【登壇ゲスト】
1 和田憲明 氏(メーントーク担当、ファザーリング・ジャパン関西代表理事)
2 中村和憲 氏(トークセッション司会、料理研究家・作曲家)
3 和泉智子 氏(トークセッション、愛媛トヨタ自動車㈱)
4 下村章子 氏(同、南海放送㈱メディア情報センター)
5 野間須陽 氏(同、㈱あわしま堂管理部情報課)
6 樋口孝幸 氏(同、㈱日本エイジェント)
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普段着の腰掛けエプロン姿で登場した和田さん。
軽快な関西弁で会場を沸かせつつ、語られた言葉は、男性でありながら主婦の気持ちが分かるからこそ、重みと共感に、あふれていました。
和田さんは、たびたびの泊まり込みがある多忙な報道カメラマンでした。
長女が生まれてから、看護師の妻のキャリアを守るため、カメラマンの道を捨て、のぞんで専業主夫に。一週間は楽しかったが、孤独感が襲います。
「自分が社会に認められていないと思い、落ち込んだ」
保育士免許をとり、仲間を求めていった結果、現在の活動につながります。
主夫になって気づいたことがあります。
「家事、子育てを男がやると周りがほめる。女性はやって当たり前」という性別のギャップ。この象徴が2010年大阪市で起きた2幼児遺棄事件です。
「彼女は事件前、子どもの父親に助けてと電話している。母親はメディアにたたかれたが、父親への批判はほとんどなかった」
社会が作る男女の認識の差は、家庭の些事にも及びます。
「パパがする『ゴミ出し』は、玄関先にまとめられたゴミを運ぶ『ゴミ袋移動』。本当のゴミ出しとは、収集日を把握し集めて捨てることまでを言う。責任が伴うのです」
最近広く認知されている「イクメン」が、単に家事、子育てに関わることではないことも、教えていただきました。
和田さん流イクメンとは?
1 育児や家事を義務でなく楽しんでいる
2 パパ自身が成長している
3 パートナーに認められている…これが一番大事!
最後に会場の皆さまに和田さんが披露したメッセージは
「行き当たりバッチリで素敵な人生を!
チーム夫婦になれば何があっても大丈夫!!」
続くトークセッションでは、包み込むような中村さんの語り口が、ゲストのホンネを引き出していきます。
女性ゲストの下村さん、和泉さんはともに10代、20代のころは専業主婦志向。仕事のやりがいを見出すうちに、自然とワーキングマザーの道を歩むことになりました。
「育休中より働いていたほうが精神的に楽だった」(和泉さん)
「夫婦で働くことでお互いの立場を理解しやすい」(下村さん)
白熱したのは、夫婦の考え方の違いについて。
「結婚してもスタンスを変えないのが男。妻ばっかり負担が増え、それが原因でぶつかる」(樋口さん)
「どちらも頑張っているが、男性は家族のためと仕事に重点を置く。そこから溝が生まれる」(中村さん)
では、夫婦円満のコツとは?
対妻には、感謝の言葉などの気遣い、共感、寄り添う気持ち
対夫には、とにかく褒める、具体的に指示を伝える
など、既婚者も思わずうなずくアドバイスが。
学生さんにとって最大の関心事は働くこと。
2度目に念願のマスコミに就職できた下村さんは、「最初が希望の就職でなかったとしてもそこで夫に出会えた。意味のないことなんてない」。
「家族を持つことで、いまやっていることが成し遂げられなくても、未来につながればいいと意識が変わった」(和泉さん)
1時間のトークセッションで貫かれたキーワードは、「幸せ」だったと思います。
「家族を持つと幸せの次元が違ってくる」(和田さん)
「疲れて帰ってきても、子ども3人の奇跡的な寝相を見るだけで幸せ」(野間須さん)
「家族や、地域、仲間の幸せを願うこと。そのうえで自分の幸せがある」。中村さんの言葉で、セッションは締めくくられました。
学生の皆さんが、自分の世界から踏み出し、社会に関わっていくいろんな生き方を学んでほしい―。そんな思いを深めた、2時間半でした。
(記事:ライフ×デザイン事業担当 波多野)