リレーコラム

2011.10.26

リレーコラム vol.10

人が生きる上での関わり方

vol-10

私は時間がある限り、家族の食事も作るし、掃除や洗濯もするし、子供の世話やPTA活動にも関わります。誰からの指示でもないし、それが好きか?嫌いか?など、意識したこともありません。

ただ、関わりへの意識に芽生えた転機は「二度」ありました。

一度目は「子供が生まれた時」
子供が生まれるまでは、仕事中心で徹夜もOKで、自分中心に物事を考えていたので、(自分さえ良ければ・・・)と思っていました。
しかし、長女が生まれ、長男、次男と3人の子宝に恵まれ、私と妻が責任(少なくとも成人までは)を持たなければならない人間が世の中と接すると思った時、こども達の見本(こども達が「大人っていいなぁ」と思う大人!)にならなければいけない)と思いました。
それが、いつの間にか自分の行動指針となり、慣れてしまったのかもしれません。
「育児は育自」「子は親の鏡」という言葉があるように、大人は子供と共に成長しているとつくづく感じています。

二度目は「NPOを立ち上げた時」
子供が生まれ、自分の行動指針は定まりましたが、「家庭内」のことなので、範囲は限定的でした。
しかし、02年にNPOを立ち上げることになり、経験も実績も無い東京から来た男が活動を興すには、今までに無い新しい「魅力」の創出が、多くの方から共感いただく「必須条件」と思いました。
そのために、「仕事や金銭とは異なる達成感、やりがいの創出」という「目に見えない価値」の創出に注力し、40名以上の仲間、400名以上の関係者と今日まで歩んでいます。

NPO活動を通し、「本業にメリハリが生まれた」「楽しみが増えた」「これが生きがい」などの感想を聞きますし、私自身も地域との接点が増え、触れ合いや発見などから日々の暮らしに充実を感じ、好循環と思っています。

「人が生きる上での関わり方」。
あえて言えば、これが「ワークライフバランス」の私の解釈です。負担や窮屈さを感じないから、生活の中のリズムになっているし、長続きもする。私の場合は、その中心にこども達がいることで、「自分らしさ」を保つことができています。

<筆者紹介>

*泉谷 昇(いずみたにのぼる)
NPO法人いよココロザシ大学学長フィルム・コミッショナー

映画・映像作品の撮影を支援する「フィルム・コミッション」が専門。300本以上の映画、映像作品に携わる。各地の取材を通し愛媛の魅力に可能性を感じ、「いよココロザシ大学」に発展させた。9年間、観光行政に携わり、行政とNPOの双方から愛媛の魅力を発信中!企画立案、子供が大好き!

(NPO法人いよココロザシ大学)