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2023.04.03

「愛媛で両立の経験のある人、または、両立をしようとしている人の多様性に関する実態調査」の結果報告

「愛媛で両立の経験のある人、または、両立をしようとしている人の多様性に関する実態調査」の調査結果をご報告します。

【アンケート目的】
仕事を暮らしを両立することに関するお困りごとを知り、その悩みを解決する(特別な配慮ではない)サービスや支援につなげ、生きづらさ(コンフリクト)を少しでも減らすこと。また、そのサービスや支援を行う企業や公共団体が増え、両立する人・雇用する企業がwin―win―winとなることを目的として実施する

【調査対象】
愛媛で両立の経験のある人、または、両立をしようとしている人

【調査方法】
仕事と暮らしの両立フェスタ(2022年12月4日開催)への来場者、SNS等を活用したwebアンケート
※実施期間:2022年12月1日~2022年12月31日
※総回答数:253名

【回答者の属性】
性別:女性79.1%/男性20.2%/その他・回答しない0.8%
年代:19歳以下0.8%/20代7.1%/30代19.4%/40代34.0%/50代30.8%/60歳以上7.9%
婚姻の状況:未婚15.0%/既婚(事実婚含む)75.5%/過去に結婚していた9.5%
仕事の状況:フルタイム勤務58.4%/短時間勤務20.4%/自営業12.0%/専業主婦4.0%/その他5.2%
暮らしの状況:回答者が253人であるのに対し、637の回答があったことから、仕事に加え2つ以上の何か(子育て、家事、家族のケア、自身の治療、趣味、資格取得・自己啓発、その他)を両立しながら生活していることがうかがえる。

◆仕事と暮らしの両立に関するモヤモヤについて◆
仕事と暮らしの両立のモヤモヤの有無について、「モヤモヤはあるが概ね思い通りになっている」と感じる回答者が54.9%、次いで「モヤモヤが多い」31.6%、「まったく思い通りではない」3.6%と、約9割の人が仕事と暮らしの両立にモヤモヤをかかえているという回答が得られた。
また、モヤモヤを感じる対象をランキング(モヤモヤ度の高い順に3つを選択、1番を3点、2番を2点、3番を1点で計算、集計した結果)にすると、第1位 仕事へのモヤモヤ439点、第2位家事へのモヤモヤ338点、第3位子育てへのモヤモヤ244点となり、仕事へのモヤモヤがダントツで一位となった。

◆仕事と暮らしの両立におけるモヤモヤの存在について◆
「あなたにとって 仕事と暮らしの両立におけるモヤモヤはどんな存在ですか?」の問いに対し、「仕方のないもの」と回答した人が57.9%と最も多く、半数以上の人が両立の現状に「あきらめ」を感じているという結果が得られた。

◆ モヤモヤ度の高い要因に対しての行動について◆
「モヤモヤ度の高い要因に対しての行動について、どのように行動しましたか?」という問いに対し、「誰かに気持ちを伝えた」と回答した人が49.8%と最も多く、約半数の人が抱え込まずに、誰かに話したり行動することで両立のヒントを見つけているという結果が得られた。一方で、「誰かに相談した(公的サービス、民間の相談窓口も含む)」と回答した人は11.5%となり、悩みが複数あり、モヤモヤが言語化できてない状況での相談場所としては、活用しづらい状況がうかがえる。

◆アンケートから見えるもの◆
・パートナーに対する不満、職場環境、そこで「あきらめている」現状がある。
→そこを対話を持つという一歩踏み出すことができれば、何らかの解決の糸口につながるのではないだろうか。
→(都道府県版ジェンダー・ギャップ指数によると)愛媛県の共働き世代の家事育児時間は女性(3時間58分)が男性(41分)の5.7倍というデータと紐づく。また四国4県では最短、全国でも43位とワースト5に入り、男女の性別役割分担意識は根強いことがうかがえる。

・気持ちを誰かに伝えた人が半数(49.7%)いる。
→言葉にできない不安やしんどさを抱えていることがうかがえる。
→すでにある公的な相談場所の利用者は少ない(11.5%)→お困りごとを言語化できた人が利用しやすい所、知らない人や、使い安くするための情報発信に工夫が必要ではないだろうか。

・両立のモヤモヤを「仕方ない」(57.9%)と諦めているという現状も見える

◆まとめ ~両立のモヤモヤをかかえる私たちに必要なこと~ ◆
【ご機嫌な今日と未来のための直接的な一歩へ向けて】※以下のとおり段階的な手順が必要
Step1 ◎モヤモヤを言語化してアウトプットする。
Step2 ◎具体的なモヤモヤの正体を見つける
Step3 ◎解決に向けて行動できるようになる

<企業への提言>
●対話を持つ場を!
・モヤモヤには業務改善の種があります。
・モヤモヤ解消は生産性向上、離職防止の手段です。
・働く人の悩みを解決する(特別な配慮ではない)商品やサービス開発の機会になり得ます。

<行政への提言>
●既存の相談窓口やツールの見直しを!
・声を拾いやすい仕組みになっているか?
・「相談はこれ」と明確な人しか使えていないのでは?

男女にかかわらず、言葉にできない不安やしんどさを抱えており、安心して発言できる場所を望んでいます。信頼関係をつなげる場づくりや心理的安全性を担保することが大切で、そうすることで個人の成長はもとより、企業、社会の成長を促すと考えます。
見えている課題あるいは埋もれている課題に耳を傾け、個人、企業、社会がつながりを持ち、互いに理解・協力し合う中で解決していくことが必要です。

◆所感◆
この調査結果から、私たちの次の課題は「働く人がなぜ、仕事と暮らしの両立のモヤモヤを仕方ないとあきらめているのか」を紐解いていくことだと捉えています。今後もワークライフ・コラボは2030年まで「仕事と暮らしの両立フェスタ」を開催していく予定です。そこで両立する労働者、雇用する企業、またそれを支援する行政や地域が、それぞれ自分ゴト意識で、「どうすればよりよくなるか」を考え、気づき、行動することが変化につながるのではないかと考えます。

図表を用いて分かりやすく報告レポートをまとめました。
ぜひご覧ください。